歌舞伎座さよなら公演~壽 初春大歌舞伎

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d0135403_23123258.jpg老朽化のため、4月公演を最後に建て替えとなる歌舞伎座。取り壊される前に行かねばと思い、先日、足を運んできた。

1月17日(日)現在、閉館まであと104日となっていた。

d0135403_2321584.jpg1月の「壽 初春大歌舞伎」は、正月に相応しく、人気のある演目に豪華役者が揃い踏みで、大変に見ごたえがある。

当初は夜の部だけ券を買っていたが、團十郎の弁慶も見たくてたまらず、結局、昼の部も見てしまった。




<昼の部> 
 春調娘七草
    曽我五郎:橋之助、 曽我十郎:染五郎、 静御前:福助
     
 梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場 
    梶原平三景時:幸四郎、 梢:魁春、 俣野五郎景久:歌昇、 六郎太夫:東蔵
    大庭三郎景親:左團次

  それぞれのキャラクターが立っている。中でも、東蔵の六郎丈夫は、娘を思う父の心が切々と
  迫ってきて、思わず目頭が熱くなった。俣野、大庭とも勢いがある。ボケとツッコミのコンビネー 
  ションが決まっている。幸四郎は、ちょっと真面目すぎた気もするが、さすがの風格。

 勧進帳    
    武蔵坊弁慶:團十郎、 源義経:勘三郎、 富樫左衛門:梅玉

  團十郎の気迫に終始圧倒される。すごい!迫力だけではなく、スケールの大きさがある。場を
  制している。その中で、一つ一つの表情の描き分けがあって、文句のつけようが無い。さすが
  荒事の團十郎である。対する梅玉が、これまた何とも言えぬ品格があり、素晴らしい。会社なら
  「理想の上司」にランクイン間違いなし(笑)。記憶に残る名舞台、良い物を見させてもらった。

 松浦の太鼓  
    松浦鎮信:吉右衛門、 其角:歌六、 お縫:芝雀、 大高源吾:梅玉

  吉右衛門のなんと生き生きと演じていることか。つきあいきれない殿様だが、憎めない人柄。
  あほかと思うと切れ味鋭い一面もあり、リーダーシップを「発揮しちゃってる」。歌六も芝雀も
  梅玉も、皆良かった。

<夜の部>
 春の寿   
    春の君:梅玉、 花の姫:福助、 女帝:魁春

  さしたるストーリーは無く、踊りを楽しむ演目か。雀右衛門の出演が予定されていたが、体調不
  良により代役となり、残念。

 菅原伝授手習鑑 車引 
    桜丸:芝翫、 梅王丸:吉右衛門、 杉王丸:錦之助、 松王丸:幸四郎、 藤原時平:富十郎

  筋書きの面白さに加えて、この豪華メンバー! 芝翫の桜丸は初役とのことであるが、にじみ
  出る味わい(どことなくユーモラス)がたまらない。守破離の「離」の境地であろう。吉右衛門も
  光っていた。大物の競演で、バチバチと火花の散るような緊迫感に引き込まれた。

 京鹿子娘道成寺 道行より押戻しまで 
    白拍子花子:勘三郎、 大館左馬五郎:團十郎

  勘三郎の独壇場。圧倒的存在感。踊りのステージが変わるごとにぐいぐいとテンションが上が
  る。見事という他ない。引抜(一瞬のうちの衣装替え)も楽しめた。

 与話情浮名横櫛 木更津海岸見染の場、源氏店妾宅の場 
    切られ与三郎:染五郎、 蝙蝠安:彌十郎、 お富:福助、 和泉屋多左衛門:歌六
    鳶頭金五郎:錦之助     
                                                              
  車引と娘道成寺を堪能した後の口直し。福助のお富は、色っぽくてなかなか良かった。


いやぁ、実に良い。昼の部は11時~16時、夜の部は16:40~21:30と、それぞれ幕間を含めて5時間もかかるが、全く長さを感じない。面白くて、あっと言う間に時間が経つ。

d0135403_1222756.jpg進行がパンクチュアルなのも素晴らしい。ロビーに人が残っていても、きっちり時間通りに始まる。

食堂、弁当、売店、屋台と、幕間の時間つぶしにも飽きることがない。飲食物の値段が高めなのが痛いが、まあ、やむを得ないだろう。

焼きたてのきんつば、めでたい焼(タイ焼きの中に紅白の餅入り)、もなかアイスなど、つい買い求めてしまう。


惜しむらくは、この時間帯では平日に行くのはまず無理なので、週末をつぶすことになる。ただし、3月・4月は3部構成となり、第3部は18時開演なので、運が良ければ平日行けるかも。でも、期末・期初は忙しくて、とてもじゃないが無理だよなぁ。もう一回くらい、行っておきたいが・・・。

ノート
・ 17日の夜の部に、元国連大使のOご夫妻(皇太子妃のご両親)がいらっしゃっていた。弁当予
  約カウンターの行列で、私の目の前に奥様が並んでおられ(ご主人は横で待機)、これほどの
  方がきちんと順番を守っていらっしゃることに感銘を受けた。

・ そのO夫人、並ぶこと数分、ようやく順番になったのに、「吉兆の予約は反対側の専用カウンタ
  ーでお願いします。はい、次の方。」と係員にすげない対応をされ、お気の毒であった。

・ 歌舞伎には「チャリ場」と呼ばれる言葉遊びの場面があるが、ダジャレおやじとしては、これが
  いたく気に入った。
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by bibinga | 2010-01-26 22:41 | その他  

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