オペラ備忘録(東京二期会のオテロ)

d0135403_16475624.jpg2010年2月17日(水) 東京文化会館

東京二期会 ヴェルディ 「オテロ」

指揮: ロベルト・リッツィ=ブリニョーリ
演出: 白井 晃

 オテロ 福井 敬
 デズデモナ 大山亜紀子
 イアーゴ 大島幾雄
 エミーリア 金子美香
 カッシオ 小原啓楼
 ロデリーゴ 松村英行
 ロドヴィーコ 小鉄和広
 モンターノ 村林徹也
 伝令 須山智文
 合唱: 二期会合唱団
 管弦楽: 東京都交響楽団

東京二期会は、このところ蝶々夫人、カプリッチョ(R.シュトラウス)と観て、その実力を高く買っている。このオテロは、その2作の出来をも上回る、非常にレベルの高い演奏だったと思う。

オテロの福井さん、デズデモナの大山さん、イアーゴの大島さん、この3人が場に放射するエネルギーは強烈で、まさに役柄に相応しいものであった。歌唱技術が高いことに加え、役の読み解きが深い。3人がそれぞれ個性的でありながら、しっかりかみ合っている。

福井さんと大島さんの役の解釈については広報誌のキャストインタビューに紹介されている。

福井さん:「人間の弱さを強い部分とのコントラストで表現してみたい」
その言葉どおりのオテロ。立派な将軍であり、公正で客観的な判断力を持っているに違いないのに、我が事になると猜疑心の泥沼に落ちてしまう。人間の業の悲しさを思わずにいられなかった。

大島さん:「いかにもな悪人面ではなく、エリートで魅力的なんだけれども、じつは狡猾でいちばん悪い、そんなイアーゴにしたい」
まさしくそのとおりの、徹頭徹尾クールなイアーゴ。

大山さんのデズデモナは純粋さと知性と人格の成熟を感じさせる。声の美しさ、実力者のみが備えることのできる自然な落ち着き、こうした大山さんの素晴らしさが役にピタリと重なり、大変に見事であった。

演出は、ダークグレーを基調にしたモノトーンでシンプルな構成。舞台は奥が高くなっていて3次元の奥行きがあり、この空間の中で人物が位置を変えていく動きがよく練られていたように思う。

リッツィ=ブリニョーリ&都響の演奏にも大変に気合が入っており、冒頭からゾクッと来た。音がブリリアントによく鳴りながら、開放的というよりは引き締まって凝縮されたエネルギーの強さを持っていた。ダイナミックかつドラマティックな名演。

実に満足度高く、東京二期会を引き続き贔屓にしたいと改めて思った。


ノート
d0135403_16472753.jpg・ 今回役に立ったのが、ニコン製のオペラグ
  ラス「遊」。他機種と比較はしていないが、
  相当な「優れ物」である。

  オペラグラスを使うのは煩わしくて好きで
  はなかったが、これを手に入れてからは
  一転、手放せなくなってしまった。オペラ・
  コンサート・歌舞伎、、、いつも持っていく。

  視界は明るく鮮明で、スコーンと抜ける。小さく、軽く、持ちやすい。

  倍率は4倍とそれほど高くないが、オペラや歌舞伎を見るには丁度よい。逆に、これ以上高倍率
  だと像がブレやすく、見づらくなるだろう。

  観劇の喜びが倍増すること、請け合いである。(カンゲキ!なんちゃって・・・)
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by bibinga | 2010-02-18 22:41 |  

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