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真珠の耳飾りの少女

d0135403_2342169.jpg2013年11月10日(日) 
ニューヨーク フリック・コレクション

フリック・コレクションでマウリッツハイス美術館(オランダ、ハーグ)所蔵絵画の特別展が開かれている。目玉は有名な、フェルメール「真珠の耳飾りの少女」。




d0135403_0215062.jpg展覧会が始まってから既に3週間経過しているが、やはりこの絵を見たい人は多いのだろう、美術館の周囲3辺をぐるりと取り巻いて長い列ができている。10人ずつの塊を目で区切ってざっと数えると、500人を超えているような。

この特別展を見るには、事前に時間指定券を買わねばならない。それでもこの長蛇の列である。館内混雑を防ぐため一度に少数ずつしか入館させていない模様であり、時間指定があっても相当に待つことになると思う。ご覧になる方は十分な時間的余裕を取っておく方がよい。(行列を回避できるお薦めの方法は、年間会員になること)

「真珠の耳飾りの少女」は、以前は「青いターバンの少女」と呼ばれていなかったか? 
この絵を見るのは、東京(1984)、ハーグ(2004)以来、3度目になるが、ずっと「青いターバン」だと思い込んできた。

今回、改めてじっくりとこの絵を眺めて、青や黄が構成する斜めの線や面のボリュームが何とも絶妙であることを感じるとともに、輝く白も重要であるように思えてきた。両目を結ぶ線と白い襟の線が三角を構成し、その間にポツっと真珠の反射する光の輝きがある。もし、この小さな輝く点が無かったら、絵に締まりが無くなる。なるほど、真珠の耳飾りの少女、の方が的確かもしれない。

この絵にどきどきするのは、少女の目に引き込まれるからだ。目が(向かって)右下に落ちていく、この線が動きを作っている。わずかに開いた口元は、何かを語りかけようとしているよう。少女と自分の間に、やり取りが生まれ、いや応なく、そこに取り込まれてしまう。 ん、この感覚は、、、阿修羅像を見た時に似ている。。。

この特別展には、オランダ、ハーグにあるマウリッツハイス美術館から15点が出展されているが、残念ながらフェルメール作品は「真珠の耳飾りの少女」1点のみで、同美術館が所有している他の2点、「デルフト眺望」および「ダイアナとニンフたち」は含まれていない。

とはいえ、マウリッツハイス美術館のウェブサイトでTop10に掲げられているうちの3点を見ることができ、点数が少ない割には見応えがある。
ファブリティウス「ごしきひわ」       ヤン・ステーン「親が歌えば子は笛吹く」
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さらに、フリック・コレクション自体、フェルメールを3点所有しており、これらは常設展示のコーナーで見ることができる。

フェルメール作品は30数点しか現存していないとされるが(真贋認定の違いで32~37まで諸説あり)、今フリック・コレクションを訪れれば、そのうち4点、すなわち約8分の1を一度に見られることになる! ついでにフリックから徒歩10分のメトロポリタン美術館にも4点所蔵されているので、「1日にして8点、4分の1」も十分可能である(笑)。

この特別展、来年1月まで開催されている。

ノート
・ 「真珠の耳飾りの少女」、この絵は少し横幅がある。(向かって)左に背景が広めに取って
  あるのだが、この背景の広がりは重要だと思う。インターネット上の画像では、トリミング
  して横を削っているものが多い(wikipediaもそうだ)が、いただけない。

・ 受信メールを整理しないとどうなるか? →答えは「増えるメール」、なんちゃって。
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by bibinga | 2013-12-15 09:55  

2009年・今年聴いたコンサート(オペラ・声楽編)

【オペラ】
9月 8日(火) ミラノ・スカラ座  ヴェルディ 「ドン・カルロ」 (東京文化会館)
          指揮:ダニエレ・ガッティ
          演出:シュテファン・ブラウンシュヴァイク
          フィリッポ二世:ルネ・パーペ
          ドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス
          ロドリーゴ:ダリボール・イェニス
          宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ
          修道士:ガボール・ブレッツ
          エリザベッタ:バルバラ・フリットリ
          エボリ公女:ドローラ・ザージック
          テバルト:カルラ・ディ・チェンソ
          レルマ伯爵:クリスティアーノ・クレモニーニ  
          国王の布告者:カルロ・ボージ

        贔屓のガッティが振るラ・スカラの「ドン・カルロ」ということで、気張って観に行った。
        キャストの良い初日。

        旅の疲れか、初日で調子が上がらなかったのか、オケが全然だめ。「精彩を欠く」と
        いう表現がドンピシャ当てはまる覇気のない演奏。第1幕が最低で、2幕以降は多少
        持ち直したが、天下のスカラ座がこれでは・・・。スカラ座は本拠地のミラノで、エフゲ
        ニ・オネーギン、ランメルモールのルチア、ローエングリンと3回観ているが、こんなに
        オケがだらしなかったのは初めて。(ガッティの振ったローエングリンは感動で震えが
        くるほど凄かったのに…)

        歌手は、バーバラ・フリットリが圧倒的に素晴らしかった。続いてルネ・パーペ。
        会場の拍手は、ラモン・ヴァルガスに厳しく、ダリボール・イェニスに暖かかったが、
        確かにこの日はイェニスのノリが良かった。しかし、自分としては、この2人では、ヴァ
        ルガスの方が地力にまさると見た。

10月 9日(金) 東京二期会 プッチーニ 「蝶々夫人」 (東京文化会館) ★
          指揮:ジャック・デラコート
          演出:栗山 昌良
          蝶々さん:大山 亜紀子
          スズキ:山下 牧子
          ケート:渡邊 史
          ピンカートン:樋口 達哉
          シャープレス:直野 資
          ゴロー:近藤 政伸
          ヤマドリ:鹿野 由之
          ボンゾ:佐藤 泰弘
          神官:大塚 博章
          読売日本交響楽団

        「蝶々夫人」は、そのストーリーが日本人にとっては何となく居心地の悪いオペラで
        あり、あまり好きではないが、栗山演出が素晴らしい、との評判を聞いて、出かけて
        みた。

        観てから2ヶ月以上経つと記憶が風化して、何がどうだったのか思い出せないが、
        演出は確かに良かった。舞台装置や小道具の入念な造りもさることながら、登場
        人物の身のこなし一つ一つが、日本人の情感の細やかさを反映した美しい動作と
        なっており、心のスイートスポットにジャストミートである。(英国ロイヤルオペラの
        こぶし大の桜の花びらがボットンボットン落ちる、ありえない演出とは大違いだ)

        歌手陣も総じて上手で、日本人キャストでこれほど高いレベルでオペラができる
        と知り、これまでの食わず嫌いを反省した。二期会は2000年に実相寺昭雄演出
        の「魔笛」を観たくらいで、関心を持っていなかったが、考えを改め、時々は足を
        運んでみたい。

11月20日(金) 東京二期会 R.シュトラウス 「カプリッチョ」 (日生劇場)
          指揮:沼尻 竜典
          演出:ジョエル・ローウェルス
          マドレーヌ:佐々木 典子
          伯爵:初鹿野 剛
          フラマン:望月 哲也
          オリヴィエ:石崎 秀和
          ラ・ロシュ:松本 進
          クレロン:加納 悦子
          トープ:大川 信之
          イタリア人ソプラノ:羽山 弘子
          イタリア人テノール:渡邉 公威
          執事長:佐野 正一
          東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

        うーん、すみません、語れる力なく、パス。

【声楽・合唱】
3月30日(月) 榎本 明子(MS)、ジェレミー・シルヴァー(P) (紀尾井ホール)
          クィルター、アイルランド、フィンジィ、マシューズ、スウェル、いとうたつこ、武満徹、
          山田耕作、岡野貞一の歌曲他

        日英外交関係樹立150周年を記念した、両国作曲家の歌曲演奏。聴衆に英国に関
        わりのある方が多かったようで、とても良い雰囲気の演奏会であった。

4月20日(月) マリエッラ・デヴィーア(S)、ロゼッタ・クッキ(P) (東京文化会館)
          ロッシーニ 「老いの過ち」第3巻~シルヴァン、「音楽の夜会」~別れ、「タンクレ
          ディ」~"いいえ、死というものは"、「コリントの包囲」~"祈り"
          グノー 「春に」「谷間」
          マスネ 「マノン」~"さようなら、私たちの小さなテーブルよ"
          ドニゼッティ 「マリア・ストゥアルダ」~"おお雲よ、なんと軽やかに"、「アンナ・ボ
          レーナ」~"私の生まれたあのお城へつれていって"
          ベッリーニ 「もし私ができなくても」「喜ばせてください」、「カプレーティ家とモンテ
          ッキ家」~"おお、幾たびかあなたのために"、「海賊」~"無邪気なほほえみと"
          ヴェルディ 「6つのロマンス」~"嘆きの聖母よ、私に憐れみを"、「第一次十字軍
          のロンバルド人」~"夢ではなかった"
          (アンコール ヴェルディ 「ラ・トラヴィアータ」~"さようなら、過ぎし日の・・・")

        すっかり忘却のかなたであるが、若干の衰えを感じたものの、鍛え上げられた芸に
        感じ入った記憶あり。アンコールの椿姫3幕は胸に染みた。デヴィーアは、2006年
        にミラノでルチアを聴いており、都民劇場公演に組み込まれた今年のリサイタルは
        言うなれば思いがけない「おまけ」のようなもの。贅沢なおまけではあった。

9月20日(日) バルバラ・フリットリ(S) (東京文化会館) ★★
          指揮:ジュリアン・レイノルズ
          東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

          モーツァルト  「フィガロの結婚」序曲、レチタティーヴォ「私は予感していた」と
                    アリア「私の目の前から消え去っておくれ」、レチタティーヴォ「
                    哀れな者よ、おお夢よ目覚めよ」とアリア「まわりにそよぐ微風」、
                    「イドメネオ」へのバレエ音楽よりパ・スール、「イドメネオ」~
                    "オレステとアイアスの苦しみを」
          ヴェルディ   「アイーダ」前奏曲、「アイーダ」~"勝ちて帰れ"、「椿姫」第1幕
                    への前奏曲、「オテロ」~"アヴェ・マリア"、「ドン・カルロ」~"世
                    の虚しさを知る神よ」
          マスカーニ   「カヴァレリア・ルスティカーナ」前奏曲
          レオンカヴァッロ 「道化師」~"矢のように大空に放たれて飛ぶ"
          (アンコール プッチーニ「トスカ」~"歌に生き、恋に生き"、チレア 「アドリアー
           ナ・ルクヴルール」~"私は創造の神の卑しい下僕")

        素晴らしい選曲で、バーバラ・フリットリを堪能! アンコールではトスカをこの人
        で聴けるなんて、失神寸前。

9月28日(月) 佐竹 由美(S) 江口 玲(P) (浜離宮朝日ホール)
         デューク、バクサ、ホイビー、コープランド他

        エミリー・ディキンソンの詩による歌曲を揃えたコンサート。同じ詩に異なる作曲家
        が曲をつけており、その対比が非常に興味深かった。

10月23日(金) 東京トロイカ合唱団 ラフマニノフ「晩祷」 (東京カテドラル 聖マリア大聖堂)
           指揮:河地良智

        こちらをご参照。


これにて、「2009年・今年聴いたコンサート」のシリーズは終了です。(約半分が都民劇場の公演でした)      
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by bibinga | 2009-12-30 12:24