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ブルーノ・フォンテーヌ (P) ~心に染みるバッハ

今朝のTV番組「題名のない音楽会」に、ブルーノ・フォンテーヌ氏が出演していたので、彼のCDについて。

J.S.バッハ パルティータ&トッカータ
ブルーノ・フォンテーヌ(P)

TRANSART TR142

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このCDは、ロンドンに居た時に、TRANSART盤を扱う会社の関係の方から戴いたのであるが、一度聴いてすっかり虜になってしまった。以来、繰り返し聴いている。

2004年7月 ランス音楽祭でのライヴ録音。
ライブ収録だと思って耳を澄まして聴くと、ホール全体が息を詰めて彼のピアノに集中しているような気配が感じられる。(→たぶんに先入観に影響されている・・・)

歌が聞こえる。心に染みる。
構造を明確に示しつつも、とてもロマンティックな演奏だ。

恋人のささやきか、母の歌う子守唄か。
この演奏には、心を鎮める優しく懐かしい響きがある。
灯りを落として、瞼を閉じて聞き入りたくなる。 


今日のTV番組では、バーンスタイン「不安の時代」のピアノ・ソロを切れ味鋭くエキサイティングに演奏しており、CDのバッハとはだいぶ趣が違ったが、放射されるオーラやしなやかで粘りのあるタッチを見て、「ああ、あのバッハは、やはり彼の演奏なんだな」と思った。

なんというか、「極める」という域に入った、とてつもないピアニストであるように思える。

ノート
・ ちなみに、このCDの裏面は・・・ 
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by bibinga | 2009-01-25 23:24 |  

ワイン備忘録(エール・ド・リューセック)

2009年1月3日(土)

d0135403_734224.jpg"R" de Rieussec 2005 (Bordeaux, France)
エール・ド・リューセック 2005

アップが遅く 今さら という感じだが、新年2本目のワイン。

正月も3日になると、おせちも食べ飽きて「じゃ、カレーでも」ということになる。基本的に味の強すぎる食べ物、例えばカレー(特にインド風本格カレー)、キムチ、納豆など、はワインと相性が良くないが、「日本のカレーライス」なら比較的合わせやすい。少し甘さのある辛口の白が、ちょうど良い具合に口を洗ってくれる。

カレー具材を買いにスーパーに出かけ、ついでに酒屋を覗く。安いリースリングでも、と思って棚を眺めていたところ、エール・ド・リューセックが目に止まった。

これはソーテルヌで貴腐ワインを造っているシャトー・リューセックが、貴腐菌の付かなかった葡萄から作る辛口ワインである。貴腐ではないが、収穫時期が遅めなのだろうか、糖が乗っていて甘みを感じるワインだ。

少し黄金色がかった色合い。ピーチ、アプリコット、メロンなど果物系の香り。穏やかな酸。かすかな渋みが後口を引き締める。とろっとして、ふくよか。2180円でこの品質は、なかなかの値打ちだと思う。少し鈍重なので繊細な料理には合わせにくいが、クリームソース系やバターを使ったこってり系には合うだろう。(カレーライスにも)

シャトー・リューセックは数あるソーテルヌの中でも評価が高いシャトーで、1984年からラフィットのドメーヌ・バロン・ド・ロトシルトが所有している。辛口の"R"の品種構成は、セミョン50%、ソーヴィニョン50%。発酵は新樽20%、ステンレスタンク80%。(バロン・ド・ロトシルトのウェブサイトより)
(満足度79)

ノート
・ この日のカレーライスは、水野仁輔氏のレシピによる「炒カレー」(チャーカレー)。具材をフライ
  パンで炒め、市販のカレールーをお湯で溶いて注ぐだけ。調理所要時間はたったの10分!
  ご飯が炊けてから作り始めても、蒸らしている間に楽勝でできてしまう。こんなに簡単に美味
  しいカレーが作れるなんて、今までのカレー作りは一体なんだったのだろう。「カレーは煮込
  むもの」という先入観を根底から覆す水野氏の発想力に、心から敬服する。

  レシピは氏の「感動! 炒カレー」で。(amazon.co.jpにジャンプします)

・ 我が家では、ルーを使う時は、井上スパイスの奄美特産「熟成カレー」を使っている。スーパーで
  売っているところもあるし、カルディコーヒーファームにも置いてある。

・ カレー製作歴はかなり長く、かれこれ25年以上になる。かつてはスパイスを粒のままフライパ
  ンで煎って、すり鉢でつぶし、カレー粉を作るところから始めていたが、「加齢」とともに面倒臭
  くなり、「井上スパイスで十分おいしいじゃん。日本人はやっぱ日本のカレーライスだよね」とい
  うのが最近の心境である。そこに持ってきて超手軽な「炒カレー」の登場で、何時間もかけ
  て作る本格カレーはますます作る意欲が減退。でも、そのうち暇を見つけてまた作ろう。

・ ちなみに水野氏はスパイス、チキンストックを使い、玉ねぎを炒めて作る本格カレーのレシピ本
  「スパイスマジックで作るカレーの法則」も出版している。まだ試していないが、こちらのレシピも
  大いに期待できる。
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by bibinga | 2009-01-11 09:01 |  

ワイン備忘録(ルロワ ブルゴーニュ・オマージュ・ア・ラン2000)

2009年1月1日(木)

d0135403_23195365.jpgBourgogne Hommage a l'An 2000 NV, Leroy (Bourgogne, France)
ブルゴーニュ(赤) オマージュ・ア・ラン2000 NV, ルロワ

金色のキャプシュルに正月らしさを感じて、元旦の朝に開けた1本。

オマージュ・ア・ラン2000という名前が示すとおり、ミレニアム記念で発売された限定ワイン。1本1本にシリアルナンバーが打たれており、このボトルは28,053番(全132,580本中)。何種類かのワインをブレンドしたらしく、ヴィンテージは明らかにされていない。

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発売当時いろいろな噂が飛び、
 「ラルー・ビーズ・ルロワ女史が自ら樽を指定し、ブレンドした」
 「1997年のコート・ド・ボーヌ・ヴィラージュが主体で、コート・ド・ニュ
 イ・ヴィラージュも加えた」
 「1993、1996、1999年を混ぜている」
等々。何が本当かはわからない。私はまず、「13万本も瓶詰めしたら、中身は一様ではないだろう」と思ってしまう(→ひねくれた性格)。

正規輸入代理店の某デパートはこの銘柄を1万円で売り出したが、ミレニアム・プレミアムを乗せたと言っても、それはちょっとやりすぎだろう。並行物は5000円前後だった。私はミレニアム騒ぎもすっかり忘れ去られた2000年秋に、大丸のフェアで3800円で出たのを2本拾って、セラーに入れておいた。

その後、ロンドン在住中の2004年にボーヌに出かけた際、現地のペラルデルという酒屋にこの銘柄が積まれているのを見つけ、@22.7ユーロで10本購入(No.8267~8276)。ルロワだし、ミレニアムだし、きっと美味しいはずと期待して開けてみたが、味がぼけていて、感心しなかった。落胆のあまり10本立て続けに飲み切り、日本に置いてある2本も帰国したら早々に飲んでしまおうと思った。

ところが、帰国後すぐに1本飲んだところ、案に相違して実においしかったのである。してみると、ボーヌで掴んだ10本は流通過程での保存状態が悪かったのだろう。(2003年の欧州猛暑にやられたか?)

というわけで、元旦に開けたのは、急に惜しくなって取ってあった最後の1本だったのである。

ほど良く枯れていて、ふんわりと軽やかに香り、滑らかに喉を流れ落ちる。新年に相応しい、すがすがしい味がした(気のせい?)。凄いワインでは無く、気楽な裾物ワインであるが、何とも言えないバランスの良さと香り高さは、通常このクラスに無いものだと思う。

ドメーヌ物を飲んだ経験はごく限られているので偉そうなことは言えないが、ルロワのワインが示す感性の煌きは、私の中では、シルヴィ・ギエムやナタリー・デセイにつながっていく。ルロワ夫人は偉大だ、会ったことないけど。
(満足度81)

ノート
・ うっかり日本語ローマ字変換モードのまま、Leroyと打鍵したら、「ぇろy」と変換された。ルロワの
  ワインにはある種妖艶さがあるのは確かだが、えろいと言っては失礼である。
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by bibinga | 2009-01-04 23:16 |