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ワイン備忘録(カリフォルニアワインに ひたる)

2009年5月15日(木)

連日のワイン会。この日は、とあるセラーにお招きを受けた。

ここを訪れるのは4度目になるが、前回以来7年も経っており、その間にセラーは隣のビルに移転していた。以前よりもさらに広くなったワインセラー、そこを埋め尽くす膨大なワイン群、そしてゴージャスな応接室に、「富はあるところにはあるものだなぁ」と感嘆。

さて、肝心のワインであるが、ここで供されるのは、オーナーの嗜好を反映してカリフォルニアワインが中心である。私は「フランス派」であり、自分でカリフォルニアワインを買うことは滅多にないため、カリフォルニアを集中的に飲める機会は大変ありがたい。

d0135403_816171.jpgまずは白から。
Chardonnay 2005, Zaca Mesa (Santa Barbara, California, USA)
シャルドネ2005, ザカ・メサ

キャビアの青缶(ベルーガ!)がドーンと開けられ、びっくり。スプーン何杯でも好きなだけ掬ってバクバク頬張るという、夢のような状況。ワインとキャビアは基本的に相性が良くないが、「この白なら許容範囲ですよ。次のはダメだけど。」とオーナーがおっしゃるとおり、悪くはなかった。というか、ワインよりもキャビアに集中してしまった(爆)。

d0135403_8165453.jpgChardonnay 2006, Jayson (Napa, California, USA)
シャルドネ2006, ジェイソン

ザカ・メサが硬質で青リンゴ系のフレッシュな香りを持っていたのに対し、ジェイソンはよりふくよかでパイナップル、マンゴーなどトロピカルな黄色いフルーツ。

d0135403_817292.jpgSantenay Gravieres 1976, Averys of Bristol (Bourgogne,
France)
サントネ・グラヴィエール1976, エイヴリ

赤に突入。ブルゴーニュ、サントネの1級畑、当たり年1976!
イギリスの伝統あるネゴシアンの名前で瓶詰めされたもの。これが30年以上経ったピノ? 信じがたいほど瑞々しい鮮紅色。香りをかいだ瞬間に圧倒される。素晴らしい!! 古酒にありがちな腐葉土、紅茶香はそれほど強くなく、適度な酸と甘みがバランス良く融けて口中の粘膜に浸み込んでくる。おおおおおーー。 この日一番のワイン。

d0135403_8175738.jpgPinot Noir 1979, Kalin Cellars (Santa Barbara, California,
USA)
ピノ・ノワール1979, カリン・セラーズ

このピノの古酒も実に素晴らしい。色はサントネより淡く、桜色に近い。スパイシーで、かすかに獣っぽい感じ。昆布。

d0135403_8182534.jpgMerlot 2005, Schug (Sonoma, California, USA)
メルロ2005、シュグ

滑らかで品の良いワイン。濃すぎず、飲み飽きしないバランスの良さ。

d0135403_8184914.jpgParaduxx 2004, Duckhorn (Napa, California, USA)
パラダックス2004, ダックホーン

粒子が細かく、目が詰まっている感じ。ジンファンデル65%、カベルネ28%、メルロ7%。良くできていることは確かだが、個人的にジンファンデルはあまり得意ではない。他の参加者の評価は高かった。

この銘柄はラベルの絵が毎年変わるが、必ず「つがいの鴨」が描かれる。このa pair of ducksをもじってParaduxxなのだとか。(パラドックスにもかけているのは勿論だろうが)。

d0135403_8191313.jpgCabernet Sauvignon 1982, J.E.Luper (Napa, California, USA)
カベルネ・ソーヴィニョン1982, ルパー

酸がしっかりあり、果実味も残っているが、高揚感が無く、静かに隠居したワイン。

d0135403_8195620.jpgCabernet Sauvignon Mast-Cimarossa 2005, TOR (Napa,
California, USA)
カベルネ・ソーヴィニョン マスト-シマロッサ 2005, トアー

深い紫。少し赤が混じる。透明感。水飴の照り。

d0135403_8202519.jpgCabernet Sauvignon 2006, Lewis Cellars (Napa,
California, USA)
カベルネ・ソーヴィニョン 2006, ルイス

凝縮感があってシルキー。外向的で陽気。

d0135403_8205758.jpgCabernet Sauvignon 2005, Ghost Block (Napa,
California, USA)
カベルネ・ソーヴィニョン 2005, ゴースト・ブロック

黒い。黒い。黒い。
バニラ、チョコレート。
甘い。

d0135403_8212164.jpgV 1998, Viader (Napa, California, USA)
V 1998, ヴィアダー

濃いワインが続き、酩酊も進み、舌が疲れてきたので、仕上げは感じを変えてヴィアダー。ヴィアダーも濃いワインではあるが、どことなく涼しい感じがする。"V"はカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フランにプチ・ヴェルドがブレンドされている。杉の香りが爽やかで、好きなワイン。


ついでに、前日の客人の飲み残しがあったので味見…。
d0135403_8222224.jpgChardonnay Estate Reserve Titus Vineyard 1990, Chateau Woltner (Napa, California, USA)
シャルドネ・エステート・リザーヴ タイタス 1990, シャトー・ウォルトナー

d0135403_8224239.jpgEstate Chardonnay 2006, Staglin (Napa Chardonnay)
エステート・シャルドネ2006, スタグリン


8人で13本。たくさんいただきました。私は2本以上飲んでしまったようで、翌朝、少々つらかった。
オーナー様、至福のおもてなしをありがとうございました。(でも、私はやっぱりフランス派です・・・)
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by bibinga | 2009-05-24 10:48 |  

ワイン備忘録(ヴォギュエのレ・ザムルーズ90&95)

2009年5月14日(木)

Chambolle-Musigny Les Amoureuses 1990, Comte Georges de Vogue (Bourgogne, France)
シャンボール=ミュジニ レ・ザムルーズ 1990, コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ

Chambolle-Musigny Les Amoureuses 1995, Comte Georges de Vogue (Bourgogne, France)
シャンボール=ミュジニ レ・ザムルーズ 1995, コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ

Bourgogne Blanc 2006, Lou Dumont (Bourgogne, France)
ブルゴーニュ白 2006, ルー・デュモン

Macon Cruzille Clos des Vignes du Maynes 2007, Julien Guillot (Bourgogne, France)
マコン・クリュジーユ クロ・デ・ヴィーニュ・デュ・メイヌ (白) 2007, ジュリアン・グイヨ

クレマチス・ロゼ 2008, 四恩醸造 (Yamanashi, Japan)


都内某所にて開かれたワイン会に参加。「ヴォギュエのレ・ザムルーズ90&95が出る」と知って、速攻で申し込んだもの。

レ・ザムルーズは、ヴォギュエの作るワインの中で、ミュジニ、ボンヌ・マールに次いで3番手の銘柄であるが、生産量が少ない上に、「恋人達」を意味する畑名が人気を呼んで、上位2銘柄よりも手に入りにくい。当たり年の'90は今や市価10万円超であり、一度飲んでみたいと願いつつも、全く手が出せなかった。

今回、会費2万円で、そういう銘柄の90と95の飲み比べができ、前座のワインやコースの食事まで付くとあっては、行かざるを得ないのも道理だろう。(もっとも、12人で分けるので、ほんのちょっとしか飲めないのだが・・・)

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さて、そのヴォギュエのレ・ザムルーズであるが、グレートイヤーである90年が圧倒的に良いだろうとの事前の予想は裏切られ、95に軍配。(あ、これ個人的な意見です。90の方がいい、という声もありました)

95は若々しく、ロブマイヤー・グラスⅢの中で30分ほど経過した頃、驚くほどの芳香を放つようになり、思わず目頭が熱くなった。対して90は、95よりも柔らかな香りを纏っていたが、まだ十分に若々しいのに迫りくる力に欠け、不完全燃焼に終わった感が強い。

90・95どちらにも共通するのは、輪郭がはっきりして、酸がキリリと立っていること。チョーク、ミネラル。「恋人達」という甘いイメージの畑名とは裏腹に、ひんやりとして、硬く、身の締まったワインだ。万人受けは決してしないだろう。むしろ取っ付きにくいワインだと思う。

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前座のワインも良かった。こちらは1銘柄につき2本ずつ用意された上、メインに備えて前座は控えめにする参加者もいたので、しっかり飲むことができた。

四恩醸造のクレマチスは、巨峰から作られたワイン。本来、ワイン用の品種ではないので、酸が弱く甘みが勝っている。スパークリングに仕立てるはずが、うまく発泡せず、生産者は「キュヴェ微々発泡」と呼んでいるとか。多少甘いが、ワインとしての出来は決して悪くなく、夏場にキンキンに冷やして戸外で飲むにはもってこいだろう。

ジュリアン・グイヨのマコンは、ビオディナミ(→2008年8月のワイン備忘録をご参照)で作られ、酸化防止剤(SO2)もごく少量に抑えられているとのこと。ビオ特有の厩臭はそれほど強くなく、いい感じにすいすい飲める。これはこれで嫌いではないが、SO2を使わないワインは伸び・広がりに欠けるような気がして、個人的にはSO2を入れたワインの方が好きだ。(この点はワイン会主催者とも意見が一致し、プチ盛り上がった)

ルー・デュモンのブルゴーニュ・ブランは、ムルソー村の(ムルソーを名乗れない)畑で取れた平均樹齢30年のシャルドネから作られたそう(主催者の解説による)。丸く、果実味豊かで、素直に美味しい。ただ、酸・ミネラルが弱いため、飲み飽きする。いい線行っているが、あと一歩。実に惜しい。まあ、ブルゴーニュ・ブランという格を考えれば、十分すぎるほど上出来なのだが。ちなみに、エチケット(ラベル)に「天地人」の文字が読めるとおり、ルー・デュモンは仲田晃司さんという日本人が経営するネゴシアンである(日本のワイン好きの間ではつとに有名)。ジュヴレ・シャンベルタン村に本拠を置いており、現地での評判もとても良いらしい。

料理は、「魚介の手打ちパスタ」と「馬肉とひよこ豆の煮込み」が秀逸だった。特に後者は、ヴォギュエのレ・ザムルーズにぴたりと寄り添う絶妙のマリアージュ。シェフにブラヴォー。(この日は、料理にワインを合わせるのではなく、ワインに料理を合わせるというシェフにとっては悩ましい日だったに違いない)
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by bibinga | 2009-05-18 23:14 |  

阿修羅展

5月1日(金) 「阿修羅展」 上野・東京国立博物館

ゴールデンウィークの谷間とあって、都内はいつもより人が少なく、どことなくのんびりムードが漂っていた。仕事も落ち着いていたので、6時過ぎに会社を出て、阿修羅展を見に行った。(通常は6時閉館だが、金曜のみ8時まで延長される)

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昼間は大混雑らしいが、幸いこの時間は空いており、最前列でゆっくりと阿修羅像を拝観することができた。

阿修羅像は「八部衆」という仏法を保護する八神の一つとして彫られたもので、「阿修羅展」では迦楼羅、緊那羅など他の像も見ることができる。 が、傑作揃いの八部衆の中でも三面六臂の特異な姿を持つ阿修羅像の存在感は独特であり、その美しさは際立っている。八部衆全ての姿をご覧になりたい方はココ→阿修羅展公式サイト

阿修羅は闘争の神であるが、この阿修羅像からは恐ろしさは感じない。はにかんだ笑みを浮かべる少年のようで、いたずらっ気のある表情は、どこか人懐っこい。

3面とは360度を120度×3で分けているのかと思っていたが、正面と直角に2つの顔がついていて、後ろには顔は無い。左右の顔は正面よりも一回り小さいように見える。

阿修羅像は他の八部衆とは別の部屋に単独で設置されており、壁際ではなく中央に置かれているので、像の周りをぐるりと回って見学することができる。正面から時計回りにゆっくりと移動しながら見ていくと、3面の表情の違いがよくわかる。腕の見え方も角度によって変化し、正面から見ると静的であるが、像に向かって右斜め45度あたりからの姿には動きを感じる。

直径ほんの数メートルの円周であるが、像をじっと見つめながら、ゆっくりゆっくり回る。10分近くもかけて正面に戻ってくると、阿修羅像が「やあ、戻ってきたね、ふふっ」と語りかけてくるようである。調子に乗って、もう1周する。

本当に素晴らしい像である。

何年か経ったら、興福寺を訪れ、本来の居場所に戻った阿修羅像ともう一度対面したいと思った。「やあ、また会えたね、ふふっ」と言う声が聞こえそうな気がする。
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by bibinga | 2009-05-02 09:52 | その他