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2009年・今年聴いたコンサート(オペラ・声楽編)

【オペラ】
9月 8日(火) ミラノ・スカラ座  ヴェルディ 「ドン・カルロ」 (東京文化会館)
          指揮:ダニエレ・ガッティ
          演出:シュテファン・ブラウンシュヴァイク
          フィリッポ二世:ルネ・パーペ
          ドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス
          ロドリーゴ:ダリボール・イェニス
          宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ
          修道士:ガボール・ブレッツ
          エリザベッタ:バルバラ・フリットリ
          エボリ公女:ドローラ・ザージック
          テバルト:カルラ・ディ・チェンソ
          レルマ伯爵:クリスティアーノ・クレモニーニ  
          国王の布告者:カルロ・ボージ

        贔屓のガッティが振るラ・スカラの「ドン・カルロ」ということで、気張って観に行った。
        キャストの良い初日。

        旅の疲れか、初日で調子が上がらなかったのか、オケが全然だめ。「精彩を欠く」と
        いう表現がドンピシャ当てはまる覇気のない演奏。第1幕が最低で、2幕以降は多少
        持ち直したが、天下のスカラ座がこれでは・・・。スカラ座は本拠地のミラノで、エフゲ
        ニ・オネーギン、ランメルモールのルチア、ローエングリンと3回観ているが、こんなに
        オケがだらしなかったのは初めて。(ガッティの振ったローエングリンは感動で震えが
        くるほど凄かったのに…)

        歌手は、バーバラ・フリットリが圧倒的に素晴らしかった。続いてルネ・パーペ。
        会場の拍手は、ラモン・ヴァルガスに厳しく、ダリボール・イェニスに暖かかったが、
        確かにこの日はイェニスのノリが良かった。しかし、自分としては、この2人では、ヴァ
        ルガスの方が地力にまさると見た。

10月 9日(金) 東京二期会 プッチーニ 「蝶々夫人」 (東京文化会館) ★
          指揮:ジャック・デラコート
          演出:栗山 昌良
          蝶々さん:大山 亜紀子
          スズキ:山下 牧子
          ケート:渡邊 史
          ピンカートン:樋口 達哉
          シャープレス:直野 資
          ゴロー:近藤 政伸
          ヤマドリ:鹿野 由之
          ボンゾ:佐藤 泰弘
          神官:大塚 博章
          読売日本交響楽団

        「蝶々夫人」は、そのストーリーが日本人にとっては何となく居心地の悪いオペラで
        あり、あまり好きではないが、栗山演出が素晴らしい、との評判を聞いて、出かけて
        みた。

        観てから2ヶ月以上経つと記憶が風化して、何がどうだったのか思い出せないが、
        演出は確かに良かった。舞台装置や小道具の入念な造りもさることながら、登場
        人物の身のこなし一つ一つが、日本人の情感の細やかさを反映した美しい動作と
        なっており、心のスイートスポットにジャストミートである。(英国ロイヤルオペラの
        こぶし大の桜の花びらがボットンボットン落ちる、ありえない演出とは大違いだ)

        歌手陣も総じて上手で、日本人キャストでこれほど高いレベルでオペラができる
        と知り、これまでの食わず嫌いを反省した。二期会は2000年に実相寺昭雄演出
        の「魔笛」を観たくらいで、関心を持っていなかったが、考えを改め、時々は足を
        運んでみたい。

11月20日(金) 東京二期会 R.シュトラウス 「カプリッチョ」 (日生劇場)
          指揮:沼尻 竜典
          演出:ジョエル・ローウェルス
          マドレーヌ:佐々木 典子
          伯爵:初鹿野 剛
          フラマン:望月 哲也
          オリヴィエ:石崎 秀和
          ラ・ロシュ:松本 進
          クレロン:加納 悦子
          トープ:大川 信之
          イタリア人ソプラノ:羽山 弘子
          イタリア人テノール:渡邉 公威
          執事長:佐野 正一
          東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

        うーん、すみません、語れる力なく、パス。

【声楽・合唱】
3月30日(月) 榎本 明子(MS)、ジェレミー・シルヴァー(P) (紀尾井ホール)
          クィルター、アイルランド、フィンジィ、マシューズ、スウェル、いとうたつこ、武満徹、
          山田耕作、岡野貞一の歌曲他

        日英外交関係樹立150周年を記念した、両国作曲家の歌曲演奏。聴衆に英国に関
        わりのある方が多かったようで、とても良い雰囲気の演奏会であった。

4月20日(月) マリエッラ・デヴィーア(S)、ロゼッタ・クッキ(P) (東京文化会館)
          ロッシーニ 「老いの過ち」第3巻~シルヴァン、「音楽の夜会」~別れ、「タンクレ
          ディ」~"いいえ、死というものは"、「コリントの包囲」~"祈り"
          グノー 「春に」「谷間」
          マスネ 「マノン」~"さようなら、私たちの小さなテーブルよ"
          ドニゼッティ 「マリア・ストゥアルダ」~"おお雲よ、なんと軽やかに"、「アンナ・ボ
          レーナ」~"私の生まれたあのお城へつれていって"
          ベッリーニ 「もし私ができなくても」「喜ばせてください」、「カプレーティ家とモンテ
          ッキ家」~"おお、幾たびかあなたのために"、「海賊」~"無邪気なほほえみと"
          ヴェルディ 「6つのロマンス」~"嘆きの聖母よ、私に憐れみを"、「第一次十字軍
          のロンバルド人」~"夢ではなかった"
          (アンコール ヴェルディ 「ラ・トラヴィアータ」~"さようなら、過ぎし日の・・・")

        すっかり忘却のかなたであるが、若干の衰えを感じたものの、鍛え上げられた芸に
        感じ入った記憶あり。アンコールの椿姫3幕は胸に染みた。デヴィーアは、2006年
        にミラノでルチアを聴いており、都民劇場公演に組み込まれた今年のリサイタルは
        言うなれば思いがけない「おまけ」のようなもの。贅沢なおまけではあった。

9月20日(日) バルバラ・フリットリ(S) (東京文化会館) ★★
          指揮:ジュリアン・レイノルズ
          東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

          モーツァルト  「フィガロの結婚」序曲、レチタティーヴォ「私は予感していた」と
                    アリア「私の目の前から消え去っておくれ」、レチタティーヴォ「
                    哀れな者よ、おお夢よ目覚めよ」とアリア「まわりにそよぐ微風」、
                    「イドメネオ」へのバレエ音楽よりパ・スール、「イドメネオ」~
                    "オレステとアイアスの苦しみを」
          ヴェルディ   「アイーダ」前奏曲、「アイーダ」~"勝ちて帰れ"、「椿姫」第1幕
                    への前奏曲、「オテロ」~"アヴェ・マリア"、「ドン・カルロ」~"世
                    の虚しさを知る神よ」
          マスカーニ   「カヴァレリア・ルスティカーナ」前奏曲
          レオンカヴァッロ 「道化師」~"矢のように大空に放たれて飛ぶ"
          (アンコール プッチーニ「トスカ」~"歌に生き、恋に生き"、チレア 「アドリアー
           ナ・ルクヴルール」~"私は創造の神の卑しい下僕")

        素晴らしい選曲で、バーバラ・フリットリを堪能! アンコールではトスカをこの人
        で聴けるなんて、失神寸前。

9月28日(月) 佐竹 由美(S) 江口 玲(P) (浜離宮朝日ホール)
         デューク、バクサ、ホイビー、コープランド他

        エミリー・ディキンソンの詩による歌曲を揃えたコンサート。同じ詩に異なる作曲家
        が曲をつけており、その対比が非常に興味深かった。

10月23日(金) 東京トロイカ合唱団 ラフマニノフ「晩祷」 (東京カテドラル 聖マリア大聖堂)
           指揮:河地良智

        こちらをご参照。


これにて、「2009年・今年聴いたコンサート」のシリーズは終了です。(約半分が都民劇場の公演でした)      
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by bibinga | 2009-12-30 12:24  

2009年・今年聴いたコンサート(器楽・室内楽編)

【ピアノ】
2月18日(水)  ラファウ・ブレハッチ (東京文化会館)
         モーツァルト  ピアノソナタ第16番変ロ長調 K.570
         ベートーヴェン ピアノソナタ第2番イ長調 Op.2-2
         ショパン     4つのマズルカ Op.17
         ショパン     ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53 「英雄」
         シマノフスキ  ピアノのための変奏曲変ロ長調 Op.3

       随所にきらめきはあったものの、全体を貫く骨格のようなものがなく、散漫な印象。
       ツィメルマンの弾き方そっくりの箇所があったり、テンポをいじってみたり、いろいろ
       やろうとしているようだが局所的にとどまっていて、ぐわっと鷲づかみにする迫力に
       欠ける。その中で、シマノフスキは説得力があった。モーツァルトも外連味のなさが
       プラスに働いた好演だったと思う。

4月22日(水)  アブデル・ラーマン・エル=バシャ (東京文化会館・小ホール)
         ベートーヴェン ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」
         ベートーヴェン ピアノソナタ第21番ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」
         ラヴェル     高雅で感傷的なワルツ
         ラフマニノフ   ショパンの主題による変想曲Op.22
         (アンコール エル・バシャ 「メスト」、メンデルスゾーン/ラフマニノフ編 「夏の夜
         の夢」よりスケルツォ)

       テクニック抜群。どんなに難しそうなパッセージでも事もなげに弾いてみせ、鮮烈。
       ただ、その先、心に食い込んでこない(当方の体調のせいだったかもしれない)。
       音がバランバランと響く感じ。

       ベートーヴェンはかっちりと弾きながらも空間的な広がりがあり、良い演奏だとは
       思うものの、月光はアンスネスの名演が耳に残っており、それと比べると平凡に
       感じてしまう。ワルトシュタインは聴き応えがあった。ラヴェルが一番良かったよう
       に思う。いずれにしても、物凄い割には感動が伴わず、不完全燃焼の味気なさが
       残ってしまった。

6月 9日(火)  藤井一興 (東京文化会館・小ホール) ★★★
         メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」

       入魂の演奏!感銘を受けた。

       唯一残念だったのは、譜めくりの人を置かず、自分で楽譜をめくったため、ページ
       の変わり目で演奏にわずかな隙が生じた箇所があったことだ。特に第6曲、第14
       曲はちょいと無理があったのでは。さすがに(譜めくりしながら弾いたらとんでもな
       いことになりそうな)第10曲と第15曲は、完全に暗譜で弾いていた。

10月 2日(金) パウル・バドゥラ=スコダ (東京文化会館) ★
         ハイドン     「皇帝讃歌」による変奏曲
         ハイドン     ピアノソナタハ短調 Hob.XVI-20
         ベートーヴェン ピアノソナタ第32番ハ短調 Op1.11
         マルタン     フラメンコのリズムによる幻想曲
         シューベルト  4つの即興曲 D899 Op.90
         (アンコール シューベルト 即興曲D935から、シューベルト ラークワルツ、
         Jシュトラウス ピチカートポルカ)

       御年82歳の大御所。昨年は、イエルク・デムスの80歳記念コンサートを聴いたが、
       この2人の老巨匠はどちらもシューベルトが抜群に素晴らしい! もちろん、ベート
       -ヴェンもいいのだけれど。思いどおりに弾けないもどかしさもあるのだろうが、体
       に染み付いた音楽の強さとでも言うのだろうか、参りました、の一言。


【フルート】
6月23日(火) ギュンター・フォーグルマイヤー(Fl)、シュテファン・メンドル(P)
          (東京文化会館・小ホール) ★
         マルティヌー  ファーストソナタ
         ライネッケ    ソナタ「ウンディーネ」
         デュティユー  ソナチネ
         ユー       ファンタジー
         メシアン     黒つぐみ
         マルタン     バラード
        (アンコール ボルヌ「カルメン幻想曲」ハバネラ以降、クライスラー「愛の悲しみ」)

       フォーグルマイヤー氏はウィーン・フィルのフルート奏者。一音たりともおろそかに
       しない、非常によくコントロールされた見事な演奏。派手さはないが、響きの美しさ
       を追求し、徹底的に磨きこんだ精緻な演奏だ。

       マルティヌーやライネッケは、自分もちょろっと手を出しているが、天と地ほども次元
       のかけ離れたこういう優れた演奏を聴いてしまうと、ざばざば吹き流している我が身
       が恥ずかしく、音楽における表現とは何かを、改めて考えさせられた。

【チェロ】
10月30日(金) オレグ・ブガーエフ(Vc)、アリス=紗良・オット(P) (日経ホール) ピアノのみ★
         バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
         バッハ 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
         ラフマニノフ ヴォカリーズ
         ラフマニノフ チェロソナタト短調 Op.19
         (アンコール ラフマニノフ チェロソナタの第3楽章)

       ラフマニノフはつややかな音で切々と歌い、素晴らしかったが、バッハは安定せず。

       バッハの無伴奏は、ブルネロ、ヨーヨー・マ、マイスキー、ウィスペルウェイなど、随
       分と大勢の演奏を聴いてきたが、名の通ったチェリストでもこの曲を名演と言える
       レベルで聴けることはあまり無い。自分が聴いた中では、ペレーニの演奏が、真に 
       素晴らしいと思った唯一の演奏である。聳え立つ名曲にして難曲だ。

       ピアノのアリス=紗良・オットは、ドイツ・グラモフォンからCDが何枚かリリースされ
       ている売り出し中の若手。ありがちな「ビジュアル先行」かと思っていたが、実際に
       聴いてみて、それは大いなる誤解であることがわかった。芯のしっかりした強靭な
       音を出し、フレーズを捉える感覚もとても優れているように思える。単に上手いだけ 
       ではなく、聴衆を惹きつける何かを持っている。伴奏ではなく、リサイタルで聴いて
       みたいピアニストだ。
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by bibinga | 2009-12-29 23:06 |  

2009年・今年聴いたコンサート(オーケストラ編)

今年は、あまり聴いていないが、一応。

4月30日(木) ファビオ・ルイジ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(東京文化会館) ★★
        R.シュトラウス 「ドン・ファン」
        R.シュトラウス 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
        ブラームス   交響曲第4番
        (アンコール ウェーバー 「オベロン」序曲)

       このオケを聴くのは5回めであるが、聴く度に音色が明るくなってきているような気が
       する。かつて「いぶし銀」と言われていたのはどこへやら、今やモダンで豊かな響きを
       持つインターナショナルなオケの音がする。

       その中で個性が光っていたのは、フルートのエッカルト・ハウプト氏。このオケの顔
       と言うべき名手である。彼の音は実に味わい深い。音量は決して大きくない(むしろ
       オケプレーヤーの中では小さい方?)のに、遠くまで見事に通ってくる。歌い回しは
       心の内を吐露するかのようなハウプト節。ブラ4・第4楽章のソロは職人芸の極地と
       言える見事さで、聴き惚れてしまった。
     
7月 8日(水) ミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団(東京文化会館)
        リムスキー・コルサコフ 「雪娘」から
        チャイコフスキー     ヴァイオリン協奏曲(Vn 川久保賜紀)
        ベートーヴェン       交響曲第3番
        (アンコール クライスラー 「スケルツォ」(川久保))

       プレトニョフの指揮については以前も書いているが、この人はいじりすぎて曲の流れ
       を壊しているように思えてならない。今回のエロイカもそうであった。私なんぞよりも、
       プレトニョフの方が音楽のプロフェッショナルとして、はるかに考え抜いているのであ
       ろうから、素人があれこれ論評するのはおこがましいが、、、どうにも賛同しかねる。

10月27日(火) パーヴォ・ヤルヴィ指揮 シンシナティ管弦楽団(東京文化会館) ★
        バーンスタイン 「ディヴェルティメント」
        ガーシュウィン 「ラプソディ・イン・ブルー」 (P クリスティアン・ツィメルマン)
        ラフマニノフ   交響曲第2番
        (アンコール シベリウス「悲しきワルツ」、ブラームス「ハンガリー舞曲第6番」)

       アメリカらしいブリリアントなサウンドを堪能。ガーシュウィンの冒頭、クラリネットソロ
       の上手いこと! アンサンブルが精緻で、キビキビした小気味良い演奏。

11月 9日(月) トゥガン・ソヒエフ指揮 トゥールーズ・キャピトル交響楽団(東京文化会館)
         ★★★
        グリンカ       「ルスランとリュドミーラ」序曲
        チャイコフスキー  ヴァイオリン協奏曲(Vn 諏訪内晶子)
        チャイコフスキー  交響曲第5番
       (アンコール バッハ 無伴奏Vnソナタ第2番アンダンテ(諏訪内)、チャイコフスキー 
       「くるみ割り人形」からトレパーク、エルガー「愛のあいさつ」、ビゼー「カルメン」前奏曲)

       いち押し! ソヒエフ凄い! 

       ソヒエフという指揮者が居ることを知らず、トゥールーズ・キャピトル管というオケも知ら
       ず、まったくのノーマークで聴いたが、あまりにも素晴らしくてびっくり。オケというより、
       ソヒエフが凄いと思う。オケから「音色」や曲の「表情」を引き出せる指揮者だ。

       イマジネーション力が並外れていて、かつ、それを具現化するためにオケにどのように
       弾かせればいいのか、その術を会得しているのだろう。

       チャイ5は耳タコの曲だが、この曲をこんなに斬新な響きで演奏できるとは驚きである。
       ロシアの森が鳴る。大地がざわめく。

       おそるべし、ソヒエフ。この人、ラトルの次のベルリン・フィル常任になるかも?と思う
       ほど凄い(ラトルは2018年まで続投が決まったが)。注目していきたい

       久しぶりに聴いた諏訪内さんはとても上手で美しい音だった。楽器が良く鳴って、スケ
       ール感のある演奏。四隅が微妙に収まりきっていない感じを受けたが、これは日本人
       のアプローチとして意図的になされたことだったのかもしれない。
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by bibinga | 2009-12-28 23:19 |  

ワイン備忘録(シャピオン…ラヴェルのラベルのワイン)

d0135403_0582158.jpgChapillon cuvee Harmonie 2006, Bodegas Hermanos Langa (Calatayud, Aragon, Spain)
シャピオン・キュヴェ・アルモニエ 2006, ボデガス・エルマノス・ランガ



このワインは、3つの点に興味を惹かれて購入した。

① 使っている葡萄品種が珍しい組み合わせ(プティ・ヴェルド90%、タナ10%)
② Wine Advocateの評価で90-95ポイント
③ ラベルのデザインが面白い(ラヴェル「ソナチネ」の楽譜をあしらっている)


色は黒っぽい暗い赤紫で、良い照りがある。香りは立ってこない。今ひとつ華やかさに欠け、余韻が短い。

味わいはたっぷりしていて、干したいちじくやレーズン。ジャムのように煮詰めたベリー。生の葡萄の種の周りの味。

ヴィンテージが若く、アルコールの刺激が直接的でピリリとした辛さがある。その割に香りにはひねた熟成感があり、若干ちぐはぐな印象。

それなりに美味しく飲めるが、余韻の短さは如何ともしがたく、これで90ポイント以上はちょっと無いかな、というところ。

ラベルに使われているラヴェル「ソナチネ」の楽譜は、第3楽章 Animaの冒頭のようだが、ワインの味とイメージ合うかなぁ・・・。ラヴェルの音楽には煌きがあり、鮮紅色で香りの湧き上がるワインが相応しいのではないかと思うが、これは、どちらかといえば濃くてくすんだ味わい。
(満足度77)

ノート
d0135403_0584423.jpg・ 当然のように、ラヴェル「ソナチネ」を聴きながら飲んだわけであるが、選んだCDはホアキン・アチュカロというスペインのピアニストの演奏によるもの。この方の演奏は、生で聴いたことがないのでよくわからないが、4種類ほど持っているCDで聴く限りにおいては、非常に気に入っている。思わせぶりなところが無く、淡々と弾いていくが、なぜだろう、聴いていて、暖かく素直な気持ちになる。

・ このピアニストを思い出す度に、「夏はアチュカロ、冬は寒かろ」とつぶやいてしまう。

d0135403_059136.jpg・ 楽譜をラベルに使ったワインには、他にこんなものもある。しかし、デザイン的には、シャピオンの方がはるかに洗練されている。
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by bibinga | 2009-12-22 00:53 |  

牡蠣!

ひと冬に一度は、思いっきり生牡蠣を食べたくなる。特に、寒波が来てぐっと冷え込み、空気がぱりんぱりんに感じられるようになると、「牡蠣も冷たい海で洗われて、さぞ美味しかろう」との思いが脳内をぐるぐる駆け巡る。

今日の天気はまさしくそんな感じで、「牡蠣日和」到来とばかりに、生牡蠣を物色しに「角上魚類」まで買出しに行った。

d0135403_23423994.jpg宮城産の牡蠣。かなり大ぶりである。家内と娘は2~3個でいい、というので15個にした。(これだけ買えば自分の分が10個くらい確保できる)

自分で言うのもナンだが、牡蠣の殻を開けるのは結構上手い。殻開けナイフを上下の境目にまっすぐ差し、上の殻に沿わせるように刃を動かし、貝柱を切る。苦も無く、15個の殻開け完了。



d0135403_2343073.jpg皿に盛ると、なかなかゴージャス。いいぞいいぞ!

レモンを絞って、ずるりずるりと。
旨い、旨すぎる!
立て続けにわしわし食らう。
おおおおおおお。

この牡蠣、なんと1個60円である。
15個で900円!
もう、たまりまセブン。


d0135403_23384167.jpg
ワインは、コート・シャロネーズ地方のACブル。

Bourgogne Blanc 2006, Cave de Genouilly

色はわりと濃い黄金色。肉付きが良い。蜂蜜香、塩っぽい苦味。若干スモーキー。
酸の切れ味が欲しいところ。
(満足度 79)
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by bibinga | 2009-12-19 23:05 |  

シチリアのオリーヴ

d0135403_1341431.jpg少し前に「小豆島のオリーヴ」について書いたが、それを買ったのと同じ成城石井で、今度はシチリア産オリーヴの新漬を発見。

品種は、ノチェッラーラ・デル・ベリーチェ(NOCELLARA DEL BELICE)。実がしっかりと張っていて、グリーンも濃く、見るからに健康そうで美味しそうなオリーヴである。

新漬なので、普通のオリーヴに比べるとずっと薄味だが、小豆島のオリーヴよりは多少しっかり塩が効いている。品種のせいか、育った風土の違いによるものか、オリーヴの実そのものの味も濃いように思う。


d0135403_1272211.jpg小豆島のオリーヴがミルクプリンだとすれば、こちらはアボカドか。どちらにもそれぞれの良さがあるが、食べ応えがあるのはシチリアの方だ。値段も小豆島産より安く、お得感がある。

しっかりと漬かったオリーヴも美味しいが、こういう浅漬けのオリーヴも乙なものだ。気に入った。
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by bibinga | 2009-12-19 01:32 |  

ワイン備忘録(ポルトガルのワイン)

d0135403_22345811.jpg2009年12月11日(金)

CHRYSEIA 2004, PRATS & SYMINGTON LDA (DOURO, SPAIN)
クリゼイア 2004, プラッツ & シミントン


ある月例の集まりが、今月はポルトガル料理店で開かれた。当然ワインはポルトガルワインばかりであるが、当方、この国のワインには全くもって疎い。ワインリストの説明書きと店員の勧めを頼りに7~8種類ほど飲んだが、その中で最も良かったのが上記のワインである。

生産者の名前を見て「おっ?」と思った方は、かなりのワイン通だろう。プラッツは、ボルドーの名門コス・デストゥルネルのプラッツ家、そしてシミントンはグラハムポートで有名なシミントンである。この両者がジョイントで作っているそうだ。

品種は、トゥリガ・ナシオナル、トゥリガ・フランセサ、ティンタ・ロリス(テンプラニーリョ)、ティンタ・カンが使われているが、テンプラニーリョ以外は私は馴染みがない。

色は濃い紫。グリセリンが凄い。目が詰まっていて滑らか。スパイシー(胡椒)で冷涼感がある。花、土、かすかに梅っぽさと薬草っぽさ。カリフォルニアの高級シラーに、少しだけジンファンデルをブレンドしたような感じ? いろいろな要素があり濃いワインでありながら、雑味が全くないところが非凡だ。モダンな仕立て。良いワインである。

(満足度84)

ノート
・ 実は、この直前に開けた別銘柄がブショネだった。あいにく最後の1本とのことで同じ銘柄での
 交換ができず、「代わりにこちらで如何でしょうか?」とソムリエールが勧めてきたのがクリゼイア
 だった。

・ ブショネだったワインは、一口飲んだ瞬間「あー、ブショネだ」と思ったので、既に飲み始めて
 いる人もいたが、ソムリエールを呼んで確認してもらった。

 一同「なになに?」とざわめく中、ソムリエールがブショネを認め、「失礼いたしました、回収させ
 てください」と言って各人のグラスを下げて去っていくと、「やるねー」という視線が集まり、、、、

 と、そこまでは良かったが、「やるねー」に続いて皆の口から発せられた言葉は「ただのダジャレ
 おやじじゃなかったのかぁー
」だった(爆)。
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by bibinga | 2009-12-17 22:35 |