今この時に聴くCD ~ 庭をわたる風
BREEZE ACROSS A GARDEN - CHAMBER MUSIC FOR FLUTE, BASSOON & PIANO
庭をわたる風~フルート、ピアノ、ファゴットによる近代室内楽の世界~
クィルター 「吹けよ、吹けよ、冬の風」「来たれ、死よ」(3つのシェイクスピア歌曲より)
モーツァルト ロンド ニ長調 KV ANH.184
サン=サーンス あなたの声に心は開く(歌劇「サムソンとデリラ」より)
ウッダール セレナーデ
ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ 第6番
ムーケ パンと小鳥(フルート・ソナタ「パンの笛」第2楽章)
ヴィドール 組曲
シャミナード コンチェルティーノ
古川仁美(FL) 武田顕治(P) 前田正志(FG)
出だしのフルートの音を聴いた瞬間、その音に言い知れぬ強い力を感じる。芯のある、素晴らしい音色。
選曲・構成もいい! 1曲目のクィルター、まずこれに、ぐっとつかまれる。全体の流れが実によい。ファゴットが入ることによる変化が、これまた絶妙。
マーキュリー製作のCDだけあって、ジャケットの仕様がコテコテに凝っている。三面鏡のように開き、写真がたくさん。解説冊子も読み応えがある。写真にも盤面にも「猫」。
演奏は真剣そのもの。演奏者の生き様が伝わってくるようだ。今この時に聴いて、教わることの多いCDだと思う。
ノート
・ 解説冊子に掲載されているWIBBのメッセージ、さすが師匠だと思った。このCDから感じられるのは、帯にある「おだやかに流れる音楽と時間」といった生っちょろいものではなく、すさまじいまでのストイックさだと私は思う。
・ 古川さんのHPには、ジャケットの写真に関する裏話が載っている。
by bibinga | 2011-04-16 16:26 | 音