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素晴らしい本

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「挑戦するピアニスト」
金子一朗 著
春秋社





感覚やイメージだけに頼って弾くのではなく、楽曲を音楽的に正しく分析・理解して演奏することが何よりも重要、ということを詳細かつ具体的に示している。演奏とは、とてつもなく高度な知的訓練を必要とする行為なのだと、改めて思う。

お気楽な音楽愛好者である私は、全編、共感しまくり頷きまくりで大変面白く読んだが、本職の方々が読んだら、あまりにも鋭く痛いところを突かれてショックを受ける方も出てくるかもしれない。

弾く人も、聴く人も、ピアノでも、他の楽器でも、音楽に何らかの興味を持っている人には、得るところがあるのではないか。

# by bibinga | 2009-09-11 23:50 | その他  

オリーヴオイル

オリーヴオイル_d0135403_2359996.jpg気に入って使っていたオリーヴオイルがついに切れてしまった。

ロンドンのバラ(Borough)マーケットで売っている。帰国時に6本ほど買ってきたが、最後の1本が終わってしまった・・・。インターネットで検索しても、日本で買える場所は、いまだ発見できていない(涙)。

このオイル、とにかく軽い。ごくごく飲めてしまうのではないかと思うほどだ(決して飲まないが)。軽すぎて物足りないという向きもあろうが、自分としては、この軽さが気にいっている。そして、香りは青リンゴのようにすがすがしい。カルパッチョにかけても、パスタの仕上げにかけても、サラダにかけても、驚くほど旨い。

同じ店(というか屋台)では、他にもたくさんの種類のオリーヴオイルを置いていて、もっとグレードの高いものもあるが、私の好みは断然、この"Platino"だ。

値段は、500mlで8ポンドくらいだったか。中級品である。開けてしまうと酸化して徐々に風味が落ちていくので、多少割高にはなるが、500mlを買うよりも、250mlを2本買う方がよいだろう。

蛇足だが、バラ・マーケットに行った時にいつも立ち寄っていたのが、このホットドッグスタンドである。
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イギリスのソーセージは、我々のイメージにあるソーセージとは似て非なるものである。食感が悪い。柔らかくて、ぐにゃぐにゃ、ねちょねちょしている。ソーセージは、パリッ、ポリッとして欲しい。

しかし、パリポリのソーセージにロンドンでありつくのは難しい。ようやく見つけたのが、この屋台だ。ここでは、ドイツ風のおいしいソーセージを食べられる。ザワークラウトもたっぷり入れてくれる。

Platinoオイルを買って、パリポリのジャーマンドッグにかぶりつけば、鰻や刺身が食べられなくとも、満ち足りた気持ちになること請け合いである。

# by bibinga | 2009-07-31 00:21 |  

魚屋探訪その2

魚屋探訪、2軒目にご紹介するのはここ。
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この店は、凄い。置いてある魚のクオリティが抜群に高い。どの魚も背筋がピンと伸びている。

ただし、値段も相応に高い。並んでいる切り身はどれも一切れ800円もするので、おいそれとは買えない。何も買わずに店を出たくなってしまう。

その中で、土曜日の日替わりサービス、刺身盛り合わせ(2000円)は買い得である。鮪の赤身、中トロ、タコ、いか、雲丹、白身、帆立、どれもツヤツヤと輝いていて、見るからに美味しそうだ。量もたっぷり入っていて、家族3人が十分にいただける。
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コハダもいいよ!
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魚屋探訪その2_d0135403_0341520.jpg良い刺身には良い酒が必要だ。うーむ、ここはワインではなく、焼酎をロックで飲もう。

奄美の黒糖焼酎「まーらん舟」。うむぐぐ、こいつは旨い! とろーんとして、まろやか。鼻腔に抜けていく度数33度のアルコールが、もう、たまーらん。

(・・・が、正直に言うと、途中から日本酒が欲しくなってしまった。いかん、最近、ポンシュ中毒かも。)


この魚屋も歩いて行ける距離には無く、家から車で15分ほどかかるのだが、刺身のあまりの素晴らしさに2週連続で通ってしまったのであった。

# by bibinga | 2009-07-25 23:45 |  

土用のうなぎ(魚屋探訪)

7月19日(日) 

最近、魚屋の開拓にいそしんでいる。この日は、土用の丑の日ということで、うなぎの蒲焼を求めて車で30分ほど遠征。

目指した魚屋は、何の変哲もない、住宅地の小さな魚屋であるが、地域に根ざして真面目に商売している様子が窺われる。こういう店がスーパーに駆逐されないよう、応援せねば。

店頭で焼くうなぎの煙が、もうもうとあたりに立ち込めている。ひっきりなしに客がやってきては、うなぎを買って帰っていく。こういう店のうなぎがまずかろうはずがない。期待できる。

さて、これが、そのうなぎである。

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丼に乗せようとしたが、大きすぎてはみ出してしまうので、やむを得ず洋皿に盛った。うなぎの下には、ご飯があるが、うなぎに完全に覆われていて見えない。

身悶えするほど旨い! 「さかな」であることが感じられるうなぎだ。口中ではらりと身がくずれ、うなぎとご飯とタレが渾然一体となって、脂のコクと香ばしさが口いっぱいに じゅわぁぁ と広がる。

ぜひ、こちらのブログをご覧いただきたい。このブログを拝見して、時間をかけてでも買いに行く価値があると思ったのである。→喰い倒レディさんのブログ (ブログはこういう風に書きたいねぇ・・・、真似できないけど。)


せっかくのうなぎなので、ワインも奮発して、ちょっと値の張るものを開ける。うなぎには、ローヌの赤が合うと思っているが、あいにく切らしており、スペインである。

Rudeles Cerro el Cuberillo 2004, Tierras el Guijarral (Ribera del Duero, Spain)
ルデレス・セロ・エル・クベリーリョ2004, ティエラ・エル・ギハラル
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目の詰まった良いワインだ。濃度とボリューム感があるが、柔らかくこなれていて、するすると飲める。とても滑らか。あえて難点を言えば、ちょっと甘い。これはワインの良し悪しではなく、好みの問題だ。

買った酒屋によれば「時間が経つほどに真価が出てくるので、ゆっくり飲んでください」とのことだが、30分も経たぬうちに1本飲みきってしまった。
(満足度83)

※ 正直に言うと、途中からワインじゃなくて、日本酒が欲しくなってしまったのだった・・・。
あぁ、かんだ光壽で飲んだ「斗瓶囲い」の酒の旨さがしみじみと思い出される。

# by bibinga | 2009-07-21 01:12 |  

戯れに作ってみた・・・

小漫才「ローマの休日」 作:Bibinga

(関東人2人が、たどたどしいエセ関西弁で)

A いよいよ夏やなぁ。

B 夏やなぁ。

A 夏休み、はよ来んかなぁ。

B 待ち遠しいなぁ。

A 夏休み、なんか予定あるん?

B ちょいと、北海道へ。

A 北海道! そいつはええなぁ、涼しそうで。 で、北海道の、どこ、行くん?

B 浦和。

A 浦和? そら、埼玉やろ。 北海道ちゃうがな。

B 浦和伊勢丹でな、「北海道物産展」やるねん。

A なんや、そういうことかいな。

B みやげ、買うてくるで。六花亭。

A そら売っとるやろな。六花亭は定番やし。

B 「白い変人」。

A 変人ちゃうやろ、恋人やろ。漢字、間違えるな!

B 文句あるなら、みやげ、やらんで。

A わかったわかった。変人でも、恋人でも、どっちでもええわ。
  ところでな、実はな、わしもな、行くねん。

B どこ行くねん?

A どーんと気張って、イタリアや。 どや、すごいやろ。

B イタリア…長介?

A それはドリフ。

B イタリアって、どこにあんねん? 浦和の近くか?

A あほ。 イタリアはヨーロッパじゃ。 ヨーロッパの「真ん中のちょっと下」ら辺や。

B 真ん中のちょっと下、言うたら、(指さす) へその下ら辺か。 いやらしい場所やな。

A あほ、なに訳わからんこと言うてんねん。 ヨーロッパの下じゃ。 地中海寄り、ちゅう意味や。

B ああ、地中かい。 暗いやろな、地面の下は。

A ちゃうちゃう。海やて、う・み。 ち・ちゅう・かい、ちゅう海や。
  世界地図見てみぃ。 長靴みたいなカッコしててな、地中海に突き出てんねん。

B あー、長靴ね。 夏は蒸れそうやね。

A 履いてない! 国のカタチや。 もう、ええわ。
  それでな、イタリアのな、ローマに行くねん。

B おばあちゃん、ね。

A それは「老婆」。 しょうもない駄洒落かますな、もう。
  ローマ言うたらな、昔、「ローマの休日」ちゅう、ええ映画があったんや。

B 懐かしいですなぁ。そうそう、腹抱えて、笑い転げましたがな。

A 待てぃ。 そういう映画ちゃうやろ。 ロマンスやで。
  天下の美女、オードリー・ヘップバーン。 きれいやったなぁ。

B そうそう、時を告げとりました。

A それは「オンドリ」やろ。

B 神社の前に、でかいのが、立ってましたなぁ。

A それは「大鳥居」。

B さあ、皆さんもご一緒に。 お手を拝借、よおーぉーッ。

A それは「音頭とり」。 もー、ええわ。 ええかげんにせい。
  「ローマの休日」はな、王女さまがな、新聞記者とつかの間の恋を楽しむんや。

B 淫乱な女ですなぁ。

A あほ。 王女さまや。 純粋で、きれいな、王女さまや。 バチあたるで、ほんまに。
  えろぅ純真でなぁ、知っとるか、あの場面・・・。

B いや、知らん。

A 待てぃ、どの場面か、まだ言っとらんだろ!
  教会があんねん。 その教会の壁に、ライオンの顔の彫刻が埋まってんねん。 でな、口のとこ
  がな、穴になっとってな、そこに手ぇ入れるねん。 でもな、ウソつきが手ぇ入れるとな、ライオン
  が手ぇ噛むねん。

B そら危険やがな。ケガしよるで。

A あほ、彫りモンや。 ほんまに噛むわけないやろ。 でもな、王女さまはな、ピュアピュアやから
  な、ウソつきは手ぇ噛まれる、言われて、びくびくすんねん。

B ああ、それ知っとる。 思い出したわ。 「マサミの口」やろ。

A マサミちゃうがな、真実や。 「真実の口」。 訓読みすんな。 漢字ちゃんと読め!

B ナンスミヨンク。

A は?

B ナンスミヨンク。 上から読んでもナンスミヨンク、下から読んでもクンヨミスンナ。

A あほ、上からと下からと、全くちゃうやんか。 もう、訳わからんわ。

B ワンラカワケワ。

A は?

B 上から読んでもワンラカワケワ、下から読んでもワケワカランワ。

A やめぃ、ほんとにもう。

B やめぃ、ほんとにもう。

A こんどは、そうきたか。

B こんどは、そうきたか。

A だから、やめろって。

B だから、やめろって。

A 真似すんなよ。

B 真似すんなよ。

A (つぶやく) まいったな・・・。

B (つぶやく) まいったな・・・。

A いいかげんにしろよ。

B いいかげんにしろよ。

A この、真似し小僧!

B この、真似し小僧!

A (大声で) わッ!!

B (大声で) わッ!!

A (超早口で) おまえのかあさん出べそ!

B (一瞬、間) ほんとかよ。 どうして知ってんだよ。

A (たじろぐ) いや、別に知ってるわけじゃ・・・。

B 見たのかよ。 聞いたのかよ。 どうしてそんなこと知ってるんだよ。 言えよ。

A いや、そういうんじゃなくて・・・。

B ごまかすなよ。 うちのかあちゃんが出べそだったら、大問題だぞ。

A ほら、あのさぁ、よく言うじゃんか、一般にだよぅ。 「おまえの・・・」。

B あん? おまえの、なんだ? もう一遍言ってみろよ、え、なんだよ。

A いや、それはその・・・。

B 言えよ、誰から聞いたんだよ。

A たぶん、オレの聞き間違いだよ。 ごめん、忘れてくれ。

B んな大事なこと、聞き間違えるわけないだろ。 ごまかすなよ。 言えよ。 誰から聞いたんだよ。

A 困ったな・・・。 ええっと、その、、、誰だっけ、あ、そうそう、君の、前の彼女だよ。 たしかアケミ
  ちゃんって言ったよね。 うん、そうだよ、アケミちゃんがそんなこと言ってたような気がする。
  でも、もうとっくに別れたんだろ? 今、どこにいるのかな、彼女、はは。

B 縁りを戻して、今一緒に暮らしてんだよ。 そうか、アケミか。 すぐに帰って、問い詰めてやる。
  でまかせだったら、半殺しだ。

A ちょ、ちょっと待て。 違う、違った。 アケミちゃんじゃない。 
  (独白、小声で) おー、やべぇ。アケミちゃん、半殺しになっちまう。 
  (元の調子で) そうだ、思い出した、前の前の彼女だよ。 勘違いした。

B なに? ほんとか? 間違いないな?

A う、うん、間違いない。

B 絶対、間違いないな?

A ぜ、ぜったい、間違いない。

B ライオンの口に、手入れられっか?

A い、入れられる。

B よし。 ということは、スミレがしゃべったんだ。 あいつの居場所はわかってる。 今から行って、
  とっちめてやる。

A ま、待て。 違った。 ごめん。 えーっと、その、えーっと。 なんだっけな。 そうだ、前の前の前の
  前の、そのまた前の彼女だ。 もう、名前も思い出せないけど。
   (独白、小声で) これなら、ごまかせるよな。

B なに? 前の前の前の前の、そのまた前の彼女だぁ? 間違いないな?

A ま、間違いない。 (独白、小声で) ま、まさか・・・。

B 前の前の前の前の、そのまた前の彼女かぁ。
  (突然、頭を抱えて) あ、あいつか! マサミだ。マサミに違いない。 そ、そ、そうだったのか。 
  マサミの口から出たのか・・・。 だったらそれは「真実」だ。
                                                              了

(真似し小僧になったあたりから、関西弁はどこへやら、漫才どころではなくマジ焦った会話になっていく、、、その調子の変化がポイントです)

# by bibinga | 2009-07-09 00:46 | 創作